全般

外国人労働者の雇用をしたい、または既に雇用している方向けに、在留期間の更新の方法を解説します。ビザと在留資格の違いや、在留が不許可になった場合の対策もお伝えしていきます。

はじめに

一度入国に成功したらほっとしてしまいますが、忘れたころにやってくるのは「在留期間更新」。

せっかく頑張って働いてくれている外国人労働者が在留期間更新を忘れたことで強制送還になったらひとたまりもありません。

今回は外国人労働者の在留期間更新について解説します。不許可だった場合の対策や在留資格とビザの違いなど雇用者必見の情報をお伝えしていきます。

ビザと在留資格の違いを解説


「在留期間の更新」の話に入る前に「在留資格」と「ビザ」がどういうものか解説していきます。

在留資格とビザの違いを簡単に説明すると「入国の前に必要なのか」「入国の後に必要なのか」といったところです。

まずビザについてですが、ビザというのは本当の名前ではなく「査証」が正式名称となり、外国籍の方が日本に入国しても大丈夫であることを示す証明書となります。

在留資格は日本に滞在する場合に必要となる資格になり、外国人労働者の在留目的によって多くの種類が存在しています。

在留資格には様々な種類が存在しており、各在留資格によって滞在日数や滞在目的が違います。一口に在留資格といっても全然違うものだった、ということもありますので、在留資格とその種類はセットでみるようにしましょう。

また在留資格を二つ同時に取得することはできませんので外国人労働者にはどの部分で特化させるのかをしっかり戦略として決めておく必要があります。

つまりビザは入国の時に使用され、在留資格はその後「長期滞在してよい」ということを証明するものと覚えておきましょう。

在留資格更新って必要なの?


ビザと在留資格の違いを理解したところで、在留資格更新がなぜ必要なのか再確認していきましょう。

また、在留期間や在留資格について詳しくみていきます。

【要注意】在留期間

在留期間は在留資格を保有してる外国人が在留してよい期間になります。在留期間は各在留資格によって異なり1年だったり3年だったりと様々です。

入管法は,法務大臣が我が国に在留する外国人の在留を引き続き認めることが適当と判断した場合に,在留期間を更新してその在留の継続が可能となる手続を定めています。

在留期間の更新を受けようとする外国人は法務省令で定める手続により,法務大臣に対し在留期間の更新許可申請をしなくてはなりません。

引用:出入国在留管理庁 在留期間の更新(入管法第21条)
http://www.immi-moj.go.jp/tetuduki/zairyuu/koushin.html

上記の様に在留期間を過ぎてしまうと、日本にはいられなくなってしまいます。

もし在留したまま、働き続けたいと考えていたのにも関わらず在留期間を過ぎてしまった場合は、出国せざるを得ませんし、再入国も自由には認められません。

従って在留期間の更新は非常に大切な事項となります。

各在留資格による在留期間

各在留資格や個々の事情によって在留期間が異なってきますので、自身が雇用している外国人労働者の在留期間を確認しておきましょう。

  • 外交:外交活動をしている期間中
  • 公用:30日または15日-3か月-1年-3年-5年
  • 教授:3か月-1年-3年-5年
  • 芸術:3か月-1年-3年-5年
  • 宗教:3か月-1年-3年-5年
  • 報道 :3か月-1年-3年-5年
  • 高度専門職1号:5年
  • 高度専門職2号:無制限
  • 経営、管理3か月または4か月-1年-3年-5年
  • 法律、会計業務:3か月-1年-3年-5年
  • 医療:3か月-1年-3年-5年
  • 研究:3か月-1年-3年-5年
  • 教育:3か月-1年-3年-5年
  • 技術、人文知識、国際業務:3か月-1年-3年-5年
  • 企業内転勤:3か月-1年-3年-5年
  • 興行:15日または3か月-6か月-1年-3年
  • 技能:3か月-1年-3年-5年
  • 介護:3か月-1年-3年-5年
  • 文化活動:3か月または6か月-1年-3年
  • 技能実習:6か月-1年-法務大臣が1年を超えない範囲で個別指定
  • 短期滞在:90日間または30日間または15日間
  • 留学:3か月または6か月-1年-1年3か月-2年-2年3か月-3年-3年3か月-4年-4年3か月
  • 研修:3か月-6か月-1年
  • 家族滞在:6か月または3か月-1年-1年3か月-2年-2年3か月-3年-3年3か月-4年-4年3か月-5年
  • 特定活動:入管法第7条第1項第2号の告示で定める活動をしているものに限り:法務大臣が1年を超えない範囲で個別指定:3か月-6か月-1年-3年-5年
  • 特別永住者:無制限
  • 永住者:無制限
  • 日本人の配偶者等:6か月または1年-3年-5年
  • 永住者の配偶者:6か月または1年-3年-5年
  • 定住者:入管法第7条第1項第2号の告示で定める活動しているものに限り:6か月-1年-3年-5年

配偶者としての在留資格

上記のうち「日本の配偶者等」や「永住者の配偶者等」の在留資格は、日本人や永住者と結婚した後に在留資格変更等の手続を経て初めて得られる在留資格です。

配偶者だからといって無条件に在留資格が与えられるというわけではありませんので、正規の在留資格取得を行う必要があります。

在留資格更新のやり方


各在留資格の在留期間を確認したところで、在留期間更新の方法を勉強していきましょう。

在留資格更新といっても書類を書けば誰でも取れるというわけではありませんので、やり方の確認は必須です。

在留が認められる場合を再確認

「在留更新は申請したらできる」といったものではなく、在留し続けてよい指標が存在しています。

以下、「在留資格の変更,在留期間の更新許可のガイドライン」より一部抜粋

  1. 行おうとする活動が申請に係る入管法別表に掲げる在留資格に該当すること
  2. 法務省令で定める上陸申請許可基準にたっしていること
  3. 素行が不良でないこと
  4. 独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること
  5. 雇用・労働条件が適正であること
  6. 納税義務を履行していること
  7. 入管法に定める届出等の義務を履行していること

在留資格更新の審査内容

在留資格更新の審査内容は明確には規定されていません。

しかし、上述した「在留資格の変更,在留期間の更新許可のガイドライン」に当てはまる不良行為がなく、納税などの日本に住んでいる際に発生する義務をしっかり行っていれば問題ないといえます。

在留資格更新期間は明示されており、法務省在留審査処理期間(http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyuukokukanri07_00140.html)にて公開されています。

在留資格更新申請書

在留資格を更新する際にはまず「在留資格更新申請書」を法務省のページ(http://www.moj.go.jp/ONLINE/IMMIGRATION/16-3-1.html)からダウンロードして必要事項を書き込んでいきます。

こちらは各在留資格によって使用する在留資格更新申請書が違いますので、注意が必要です。

また在留資格更新申請書では縦4cm×横3cmの証明写真が必要になります。

こちらはパスポートと同じ写真は使用できませんので、直近3か月以内に撮影した写真を使用するようにしましょう。

在留資格更新申請書には以下の23項目を記入します。

  • 国籍・地域
  • 生年月日
  • 氏名
  • 性別
  • 出身地
  • 配偶者の有無
  • 職業
  • 本国における居住地
  • 住居地
  • 旅券
  • 現に有する在留資格
  • 在留カード番号
  • 希望する在留資格
  • 変更の理由
  • 犯罪を理由とする処分をうけたことの有無
  • 在日親族(父・母・配偶者・子・兄弟姉妹など)及び同居者
  • 身分又は地位
  • 婚姻、出生又は縁組の届出先及び届出年月日
  • 申請人の勤務先等
  • 滞在費支弁方法
  • 扶養者(申請人が扶養を受ける場合に記入)

入国管理局に申請

在留資格更新申請書の記入が終了したら、入国管理局に申請を行います。

入国管理局の数自体は少ないためしっかり確認して赴きましょう。

更新許可通知の送付

無事申請が終了し、更新が許可されると「更新許可通知」が届きます。

入国管理局にて更新完了

「更新許可通知」と「パスポート」、「在留カード」を持参して入国管理局にいけば新しい在留カードが交付されて更新完了となります。

在留資格更新が不許可だった場合


在留資格更新を申請しても不許可になる場合があります。

不手際で不許可になる場合もありますが、不当に許可がおりないケースもありますので、在留資格更新が不許可になった場合の対処法を確認しておきましょう。

在留資格変更許可申請

もし在留資格更新が不許可なる場合は、入国管理局から呼び出しがあり、「通知書」をもらいます。

その際に出国の意思確認を行い、日本に居続ける場合は「在留資格変更許可申請」を行い、帰国を前提とした在留資格へ変更されることがあります。

このような帰国を前提とした在留資格の場合でも、再度の申請は不可能ではありませんので、与えられた期間中に対策を考えることになります。

不備があった点を正して再度チャレンジする、などです。

裁判所へ訴える

在留資格更新の不許可を不服とする場合は、裁判で争うことも可能です。

しかしこの方法を選択すると、もともともっていた在留資格の期間が過ぎた時点でオーバーステイ(不法滞在)になってしまいますので、リスクを考える必要があります。

外国人労働者の在留資格管理は必須


在留資格更新の手続きを解説してきましたが、面倒に感じられた方が多いのではないでしょうか。

また、滞在が不許可になった場合は最悪、帰国してもらう必要さえ出てきます。

外国人労働者の在留資格は、期間の管理も重要なのです。

まとめ


今回は外国人労働者の在留資格更新について解説しました。不許可だった場合の対策や在留資格とビザの違いなどを紹介しました。

ビザと在留資格の違いや各在留資格の在留期間や在留資格の更新を理解しておけば何か問題が生じても解決できます。

特に注意しなければいけないのは、会社の中で複数の人が多種の在留資格をもっている場合です。

在留資格によって在留期間が異なるため、「この人は大丈夫だと思っていたけど実は違った」というのが最悪なパターンです。

常日頃から、会社の外国人労働者の在留資格や在留期間は頭にいれておくことで、在留資格更新もスムーズにできますので、日々の確認を大切にしていきましょう。

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執筆者
外国人労働者ドットコム編集部

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