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全般

この記事では、新型コロナウィルスによる影響下の外国人労働者について解説しています。

昨今の新型コロナウィルス感染拡大によって、外国人労働者がどのような影響を受けているのかを解説しています。
また各事業者の方向けに、政府の対応・外国人労働者の雇用を守るために必要な書類の紹介もしています。
これを読んで、外国人労働者の負担を少しでも減らしましょう。

目次

外国人労働者に支えられた日本の生活

技能実習制度は、日本で約30年続いている制度です。日本で働きながら技能・知識を身につけたい外国人が実習生として日本で働きます。発展途上国への国際貢献が本来の目的とされています。2019年末現在では、約41万人の外国人が実習生として日本で就労し、技能や知識を身につけています。

日本には、技能実習生がいないと成り立たない業種・分野があります。国際貢献が本来の目的と前述しましたが、実際のところ、日本の労働力不足の助けになっているという側面もあります。
特に農業・漁業では、技能実習生の労働によって成り立っている場合が多いです。日本は1980年頃、漁獲量が世界一になっており、「漁業大国」として誇れる国でした。しかし、漁業分野の就労者は高齢者が多く、後継者が少ないです。

そのため、高齢者の方々の引退や、後継者不足が起き、廃業せざるを得ない事業者・漁船が増えました。漁業分野の就労者は約15万人で、当時の約3分の1まで低下しています。なんとか残っている事業者・漁船も、人手の確保に困っています。

そこで、技能実習生の就労が助けになっています。日本人の労働者がなかなか集まらないので、外国人である技能実習生に頼っています。
製造業・建設業においても、技能実習生の労働力に頼っているところがあり、現場作業員として技能実習生を受け入れています。生産・工事の仕事において、人手はなくてはならない存在です。技能実習生の受け入れは、「3年間確実に働いてもらえる」という認識も持たれています。日本人を無理に集めるよりも、技能実習生を受け入れる方が確実であると考えられています。

新型コロナウィルス感染拡大による影響

技能実習生の来日が不可能に

来日が不可能になり、観光業の経営が危機にさらされていることは連日ニュースでも取り上げられています。
しかし観光だけでなく、技能実習生などの外国人労働者の来日もできなくなっています。

2019年は毎月1万人から2万人の実習生が来日していました。この来日できない状況がこのまま半年間続けば約10万人、1年間続けば約20万人の実習生が来日できなくなってしまいます。

前述した日本の分野、農業・漁業・製造・建設では、人手不足の深刻化が進みます。
実際、人員の補充ができていないため、生産量の低下で対応している事業が多いようです。

生産量の低下と人員の解雇

一部の企業においては、経営上の業績が悪化しているため、人員を解雇する決断をせざるを得ない状況にあります。特に製造業・建設業においては、生産量を減らす、工事の見送りなどを行っているため、もともと抱えていた従業員全員に仕事を振ることが困難になっています。そして、この流れで技能実習生が解雇され始めています。

通常であれば、雇うことができなくなった技能実習生は、監理団体が同じ業種の企業を紹介します。ですが、当該業種の各企業が業績悪化に陥っているため、紹介先がなかなか見つかりません。技能実習生が働ける場所が激減しています。
現在施行されている技能実習制度のもとでは、技能実習生が異なる業種の企業へ移ることは認められていません。なので、人手が足りていない業種へ移ることができません。

実習生が母国に帰れない

新型コロナウィルス感染防止のため、各国は入国制限を行っています。この影響で、実習が終了している技能実習生が母国に帰れなくなっています。
この場合に実習生がなってしまう状況は、以下の2つです。

継続して働ける場合

在留資格を「技能実習」から「特定活動」に変更します。政府は急遽、新型コロナウィルスの影響を考慮して、技能実習生に対しての特別措置を決定しました。技能実習生の在留資格「特定活動」を認め、最大1年間働くことができます。
「特定活動」に変更すれば、再び同じ企業で継続して働くことができます。手当がもらえる場合もあります。

働けない場合

どうしても働けない場合は、在留資格が「滞在期間(90日間)」に変更になります。この場合、同じ企業であっても働くことができなくなります。帰国もできない、仕事もできない、家賃が払えず住居も失うという状況になってしまいます。

政府の特別措置に関しては、後の【政府の対応】にて解説しています。

外国人労働者は都市部に集中している

外国人労働者は、都市部に集中する傾向があります。これは、雇用機会の多さ、最低賃金の高さが要因とされています。他方で、今回の新型コロナウィルスの感染が拡大しているのは主に都市部です。「緊急事態宣言」が全国に発令される前は、東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県、大阪府、兵庫県の6都道府県にのみ発令されていました。

厚生労働省「外国人雇用状況の届出一覧表」とこれら6都道府県を照らし合わせると、
在留外国人の地理的分布の上位9都道府県中、6都道府県を占めていることがわかります。

主に、外国人が多い地域において自粛要請が出されています。

外国人労働者に依存する産業の売り上げ減少

コロナウィルス感染症対策によって、各国の出入国が制限されています。国際的な人の行き来が制限されたことによって、インバウンド拡大の恩恵を受けてきた宿泊業、飲食サービス業、小売業などの売り上げが急減しています。現時点で日本に在留している外国人労働者、日本人従業員で乗り切るしかない状況になっています。

政府の対応

厚生労働省は、外国人労働者が不当に解雇されないようにするため

外国人の皆さんへ(新型コロナウイルス感染症に関する情報)

を用意しました。

 

「会社の経営が悪くなっても、外国人であることを理由として、外国人の労働者を、日本人より振りに扱うことは許されません。」というメッセージを発信しています。

「やさしい日本語」を含めた15ヶ国語による情報発信です。

15カ国一覧
やさしい日本語, 英語, 中国語(簡), 中国語(繁), 韓国語, ポルトガル語, スペイン語, タガログ語, タイ語, ベトナム語, ネパール語, インドネシア語, カンボジア語, モンゴル語, ミャンマー語

また政府は、新型コロナウィルス感染拡大に伴う経済政策のひとつとして、国民に一律10万円を給付しました。在留外国人も対象になりました。また法務省は、技能実習が困難になった実習生に対して異業種に変更できる措置、「特定活動」の在留資格を最大1年間与えることを決定しました。あらかじめ指定された業種でしか働けない技能実習生の収入・生活の確保、人材不足に陥っている産業分野への人材供給をすることが目的です。

今後の外国人労働者について

この先、新型コロナウィルス感染症が終息に向かっていっても、すぐに以前の状態に戻るかどうかはわかりません。専門家の間では、外国との自由な行き来ができるようになるまでには時間がかかると考えられています。外国人観光客に依存していたアベノミクスにとっては大打撃と言える状況です。また、外国人労働者の労働力に依存してきた産業は、人手不足に陥ります。

日本は、外国人労働者を短期的で安価な労働力として受け入れてきたと言われています。このまま外国人労働者が受け入れられない、かつ人口減少が進んでいけば、農林水産業、運送業、介護事業者、コンビニなどの人材不足は回避しづらいでしょう。
今後の人材不足解消の手段、そして在留中の外国人の保護に向けての対策を待ちましょう。

技能実習生の在留申請について

技能実習生の方向けに、各種申請に必要な書類を紹介します。
2020年7月時点での申請方法です。

1. 本国への帰国が困難な方(「特定活動(6か月・就労可)または「特定活動(6か月・就労不可)」)

「特定活動(6か月・就労可)」への在留資格変更,在留期間更新許可を希望する場合(同一業務での就労を希望する場合)になります。

従前の受入れ機関で働く場合

◯ 在留資格変更許可申請書または、在留機関更新許可申請書(顔写真付き)

◯ 帰国が困難であることについて、合理的理由があることを確認できるもの
例 : 航空便の運休、移動制限などにより居住地に戻ることが困難な状況にあることがわかる資料。

◯ 監理団体、または実習実施者が作成した理由書
(監理団体は、特定監理団体を含みます。実習実施者は、企業単独型の場合のみです。)
例 : 従前の受入れ機関において、従前の在留資格で従事した業務と同種の業務に従事することを証明できる資料。

従前の受入れ機関から変更となる場合

◯ 在留資格変更許可申請書または、在留機関更新許可申請書(顔写真付き)

◯ 帰国が困難であることについて、合理的理由があることを確認できるもの
例 : 航空便の運休、移動制限などにより居住地に戻ることが困難な状況にあることがわかる資料。

従前と同一の監理団体(特定監理団体を含む)が監理を行っている受入れ機関で就労する場合

◯ 監理団体が作成した理由書

従前と異なる監理団体が監理を行っている受入れ機関(企業単独型を含む)で就労する場合

◯ 従前の監理団体、または受入れ機関が作成した理由書
(ここでの受入れ機関は、企業単独型の場合に限ります)
従前の受入れ機関の経営悪化などによって、継続的な雇用が困難であることが説明されていること、帰国を担保することが誓約されているものが理由書として扱われます。

◯ 新たな受入れ機関の実習管理を行っている監理団体、または受入れ機関が作成した理由書
(ここでの受入れ機関は、企業単独型に限ります。)
新たな監理団体が身元引受けについて責任を負うこと、申請人が帰国する際には従前の監理団体と協力すること、この2点が誓約されているものが必要になります。

◯ 新たな受入れ機関との就労に係る雇用契約に関する書面
雇用契約書, 雇用条件書の写しがこれに当たります。

「特定活動(6か月・就労可)」への在留資格変更, 在留期間更新許可を希望する場合(就労を希望しない場合)

◯ 在留資格変更許可申請書、または在留期間更新許可申請書(顔写真付き)

◯ 帰国が困難であることについて、合理的理由がることを確認できるもの
例 : 航空便の運休や移動制限などにより、居住地に戻ることが困難な状況にあることがわかる資料。

◯ 滞在費など、金銭に関する資料

2. 技能検定などの受検ができないために、次段階の技能実習へ移行できない方(「特定活動(4か月・就労可)」)

この申請の対象者は、
現段階の技能実習期間がすでに終了、
または終了見込みであり
且つ申請時点において在留期限の残り日数が1ヶ月以内の方のみです。

◯ 在留資格変更許可申請書(顔写真付き)

◯ 次段階の技能実習に移行するまでの期間の、雇用契約に関する書面
例 : 雇用契約書, 雇用条件書などの写し

◯ 監理団体(企業単独型なら、実習実施者)が作成した説明書
次段階の技能実習へ移行予定であること, 新型コロナウィルス感染症のない橋などにより、技能検定などの受検ができない理由, 必要な助言, 指導および支援などを行うことなどを記載したもの

3. 「技能実習3号」への移行を希望される方

◯ 在留資格変更許可申請書(顔写真付き)

◯ パスポートおよび在留カード(提示)

◯ 技能実習法第8条第1項の認定を受けた技能実習計画にかかる技能実習計画認定通知書、および認定の申請書の写し

◯ 住民税の課税(または非課税)証明書、および納税証明書(1年間の総所得および納税状況が記載されたもの)各1通

◯ 身分を証する文書(提示)
例 : 申請取次者証明書, 戸籍謄本など

4. 「特定技能1号」への移行の準備がまだ整っていない方(「特定活動(4か月・就労可)」)

◯ 新型コロナウィルス感染症の影響により、在留資格「特定技能1号」への移行に時間を要することについての理由書

◯ 受入れ機関が作成した誓約書
受け入れ予定の外国人が「特定技能1号」へ在留資格を変更する予定であることなどが書かれている誓約書です。

◯ 「特定技能1号」に変更するまでの間の雇用契約に関する書面
例 : 雇用契約書, 雇用情景書などの写し

5. 解雇などにより実習継続が困難となり、「特定技能」への移行のために技能試験の合格を目指す方

出入国管理局において、実習継続困難になった外国人労働者などを支援しています。「特定活動」が付与され。雇用を維持できる場合があります。

必要な書類は以下の4点です。
◯ 在留資格変更許可申請書
◯ 受入れ機関が作成した説明書
◯ 雇用契約に関する書面
◯ 受入れ機関が作成した賃金の支払いに関する書面

[参考: 法務省HP  http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyuukokukanri07_00026.html]

まとめ

今回は、新型コロナウィルス感染症拡大が、外国人労働者にどのような影響を与えているかを中心に解説しました。外国人労働者は、日本の経済・産業を支えてくれている大切な存在です。安易に解雇する事例もあるようですが、このようなことは絶対にあってはいけません。

政府の対応、必要な申請書類を把握し、外国人労働者たちを守りましょう。

 

【追記】技能実習生の在留資格に関する取扱いは、2020年8月12日付けで更新されています。その後も更新される場合がありますので、最新の情報を合わせてご確認ください。

http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyuukokukanri07_00026.html

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