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全般

深刻な人員不足を抱えている日本の介護業界。
厚生労働省の発表によると、今後の介護業界に必要な人員は増加していくとのことです。
この状況を乗り切るための方法のひとつとして、外国人労働者の受け入れが挙げられます。

しかし、あなたの企業で「じゃあ、いますぐに外国人労働者の受け入れを始めよう!」といっても
どのように受け入れるかわからないかと思います。

そこで今回は、
日本の介護業界に外国人を受け入れるために知っておくべき、『4つの在留資格』を解説します。
あなたの企業が外国人労働者を受け入れる方法は大きく分けて4つあります。

この記事を読めば、それぞれの在留資格の特徴がわかります。
あなたの企業が外国人労働者を受け入れる際に、ぜひお役立てください。

介護業界で人材が必要

厚生労働省が発表した「第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数によると、
2023年度には約233万人、2025年度には約243万人、2040年度には約280万人までの増加が必要とされています。
しかし、現状このペースでの増加を実現させるのは難しいと考えられます。
また日本の介護業界の人員を確保するためには、外国から労働者を受け入れるという方法が挙げられます。

そこで今回の記事では、
日本の介護業界に外国人を受け入れるための方法を知っていただくために
介護業界で働くための『4つの在留資格』を解説します。

それぞれの特徴を知り、あなたの企業に受け入れるには
どの在留資格が適しているかをチェックしてみましょう!

外国人が介護の分野で働くための『4つの在留資格』

日本で外国人が介護職に就くための在留資格は以下の4つです。
◯ EPA(在留資格「特定活動EPA介護福祉士」)
◯ 在留資格「介護」
◯ 技能実習制度
◯ 在留資格「特定技能」

これら4つの在留資格はそれぞれ、趣旨、技能・日本語能力の水準、在留できる年数が異なります。

ここからは、4つそれぞれの在留資格について解説していきます。
あなたの会社が外国人労働者を受け入れる際に
「どの在留資格の外国人を受け入れるべきなのか?」を判断するため、チェックしておきましょう!

1. EPA(在留資格「特定活動EPA介護福祉士」)

まずEPAとは、特定の国・地域同士との経済連携を強化するための取り決めのことです。
サービス業を行う際の規制の緩和、ビジネス環境の整備を協議することなどが含まれています。

このEPAの介護分野においては、インドネシア・フィリピン・ベトナムの3カ国との連携がされており、
対象国の外国人が、日本の国家資格である「介護福祉士」の取得を目的とした制度とされています。

介護についての知識を持つ外国人労働者が、日本語教育を受けたのちに技能研修として就労を始めます。
そのため、日本語力がある程度ついている、比較的円滑なコミュニケーションができるという点に期待ができます。
ただし、就労コース(後述)で受け入れた場合、
入国後4年目に介護福祉士の国家試験を受験する必要があります。
そのため、受け入れ後しばらくは、介護福祉士になるためのサポートをする必要があります。

受け入れまでの流れ

受入れの流れは2つあり、
① 就学コース
② 就労コース
があります。

① 就学コース(※ フィリピン、ベトナムのみ)
(1) 介護福祉士候補者として入国
(2) 2年以上、介護福祉士養成施設にて研修
(3) 介護福祉士国家試験受験
(4) 介護福祉士資格取得(登録)
(5) 介護福祉士として業務従事

② 就労コース
(1) 介護福祉士候補者として入国
(2) 3年以上、介護施設等で就労・研修
(3) 介護福祉士国家試験受験
(4) 介護福祉士資格取得(登録)
(5) 介護福祉士として業務従事

受け入れ要件

受け入れ要件は3カ国それぞれ異なります。
あなたの会社で受け入れを検討する際の、技能・日本語能力の参考にしてください。

◯ フィリピン
・日本語能力試験N5程度以上
・4年制大学卒業

フィリピン政府による介護士の認定、またはフィリピンの看護学校(4年)卒業

◯ インドネシア
・日本語能力試験N5程度以上
・高等教育機関(3年以上)卒業

インドネシア政府による介護士の認定、またはインドネシアの看護学校(3年以上)卒業

◯ ベトナム
・日本語能力試験N3以上
・3年制または4年制の看護課程修了

2. 在留資格「介護」

在留資格「介護」は、2017年9月にできた制度です。
介護福祉士の資格を取るための条件に含まれている在留資格です。

在留資格「介護」の制度で受け入れる場合、以下の2つのルートがあります。
◯ 養成施設ルート
◯ 実務経験ルート

それぞれのルートについては後述します。大半の場合は、養成施設ルートでの受け入れが採用されています。

介護福祉士の試験は全て日本語で行われており、合格するには高い日本語能力が必要です。
そのため、介護福祉士の資格を取得した状態(養成施設ルートで受け入れる場合)で
受け入れることができる『在留資格「介護」』の制度は、
すでに高い日本語力を有している、即戦力となる人材の受け入れが期待できます。
また、在留資格「介護」で入国した場合、配偶者・子供など家族もいっしょに滞在できます。
在留期間更新の回数制限もないので、日本で長く働いてもらうことが期待できます。

ここまでは在留資格「介護」を活用するメリットを解説してきました。
ここからは、この制度を活用する際の“難点”を見ていきましょう。

在留資格「介護」を活用する場合、人材の送り出しと受け入れを斡旋する専門機関がありません。
そのため、あなたの会社が自ら学校などの養成施設に働きかけるなどの自主的な採用活動が必要です。
他の制度に比べて仕事量が多いですが、長く働いてもらえる人材を見つけられるかもしれません。

受入れの要件

在留資格「介護」の許可を受けるためには、以下の4つの要件を満たすことが必要です。

① 介護福祉士の国家資格を取得していること
② 日本企業(介護施設)と雇用契約を結んでいること
③ 職務内容が「介護」または「介護の指導」であること
④ 日本人が従事する場合における報酬額と同等額以上の報酬を受けること

令和2年4月1日に在留資格「介護」の上陸基準省令が改正され、介護福祉士の資格を取得したルートを問わず、在留資格「介護」が認められるようになりました。

受け入れまでの「2つのルート」

【1】 養成施設ルート
ステップ① 外国人留学生として日本へ入国
ステップ② 介護福祉士の養成施設に2年以上通学
ステップ③ 介護福祉国家試験を受験
↓ 試験に合格
ステップ④ 介護施設が採用, 就職先決定
ステップ⑤ 入国管理局に在留資格変更の申請・許可
ステップ⑥ 就労開始

[※] 在留資格の区分について
ステップ①〜④までは在留資格「留学」、ステップ⑥以降は在留資格「介護」と区分されます。

【2】 実務経験ルート
ステップ① 技能実習制度を通じて入国
ステップ② 介護施設で3年以上就労・研修(並行して国家試験の勉強)
ステップ③ 介護福祉国家試験を受験
↓ 試験に合格
ステップ④ 介護施設と改めて雇用契約を結ぶ
ステップ⑤ 入国管理局に在留資格変更の申請・許可
ステップ⑥ 就労開始

[※] 在留資格の区分について
ステップ①〜④までは在留資格「技能実習」、ステップ⑥からは在留資格「介護」です。

3. 技能実習制度

技能実習制度は、主に発展途上国の経済発展を目的とする制度です。
外国人を日本の企業・産業現場に受け入れ、現場での仕事において技能知識を学んでもらいます。
この外国人による学びを通して、日本からその外国人の母国への技能・知識の移転を目指します。
近年、「日本の産業の人手不足を補填するため」の制度として認識されていることがありますが、
本来の目的は、日本から外国への国際貢献であり、労働力の調整のために使われるべきものではありません。

技能実習の介護分野では、技能実習生は入国後まず、日本語と介護の基礎を学ぶための講習を1〜2ヶ月ほど受けてから受入機関で職に就きます。
実習期間の1年目,3年目修了時点で、試験を受けます。この試験で実習先・監理団体から「優良」認定を受け、試験に合格すれば、最長5年まで技能実習を行うことができます。

受入れの要件

【要件①】 日本語能力の確保
技能実習の介護分野は他の業種・分野と比べて、求められる日本語能力の水準が高く設定されています。
1年目は日本語能力N4程度
2年間は日本語能力N3程度
と設定されています。

[※ 参考(日本語能力試験JLPTより)]
◯ N4

・基本的な語彙や漢字を使って書かれた日常生活の中でも身近な話題の文章を、読んで理解することができる。

・日常的な場面で、ややゆっくりと話される会話であれば、内容がほぼ理解できる。

◯ N3

・日常的な話題について書かれた具体的な内容を表す文章を、読んで理解することができる。

・新聞の見出しなどから情報の概要をつかむことができる。

・日常的な場面で目にする難易度がやや高い文章は、言い換え表現が与えられれば、要旨を理解することができる。

・日常的な場面で、やや自然に近いスピードのまとまりのある会話を聞いて、話の具体的な内容を登場人物の関係などとあわせてほぼ理解できる。

【要件②】 受け入れ機関(実習実施者)が対象範囲であること
技能実習生の受け入れ機関は、介護業務が現に行われている企業であり、かつ設立後3年以上経過していることが条件とされています。また、訪問系のサービスは対象範囲に含まれていません。これらの要件は、技能実習生の人権を守るために設定されています。

【要件③】 受け入れ環境の確保
技能実習制度の趣旨は、実習生が技術・知識を身につけ、母国の発展に活かすことです。
そのため、技術を学べる職場環境であることが条件とされています。
明確な条件は、以下の4点です。
・受け入れ人数は常勤介護職員の総数迄とし、技能実習生以外の介護職員を同時に配置すること
・技能実習生5名につき1名以上の介護福祉士を技能実習指導員として選任すること
・入国時の講習で専門用語や介護の基礎的な事項を学ぶこと
・夜勤業務を行うのは2年目以降の技能実習生に限定する等、安全確保のために必要な措置を講ずること

【要件④】 適切な監理体制
適切な監理体制と認められるためには、以下の2つの要件を満たすことが必要です。
・監理団体の役職員としての実務経験が5年以上である介護福祉士等を配置すること
・「優良監理団体」となるための介護分野における実績があること

受け入れまでの流れ

ステップ① 技能実習の現場(介護施設等)にて実習
ステップ② 入国1年目修了後、技能実習評価試験を受験
ステップ③ 入国3年目修了後、技能実習評価試験を受験
ステップ④ 入国5年目修了後、技能実習評価試験を受験
ステップ⑤ 帰国 or 国家試験に受験・合格すれば、在留資格「介護」で在留継続可能
ステップ⑥ 本国で技能等の活用

4. 在留資格「特定技能」

特定技能は、日本の深刻な人材不足への対応を進めるために、2019年に新設された在留資格です。
この「人手不足への対応」という文言が明記されていることが他の在留資格との違いであり、特定技能の特徴です。

特定技能で働く外国人は、技能・日本語能力の試験に合格後、最大5年間就労することができます。
5年間の在留期間中に介護福祉士の国家資格を取得すれば、在留資格「介護」に変更することができ、長期にわたって日本で働くことができます。
日本語能力試験は、N4または日本語基礎テストが採用されています。
そのため、
読むことについては「基本的な語彙や漢字を使って書かれた日常生活の中でも身近な話題の文章を、読んで理解すること」が、
聞くことについては、「日常的な場面で、ややゆっくりと話される会話であれば、内容がほぼ理解できる」程度の日本語力が見込めます。

技能実習を3年目まで修了した者については、「特定技能1号」に必要な試験が免除されます。
つまり、技能実習終了後に特定技能に移行すれば8〜10年にわたって在留することができます。

特定技能による受け入れの特徴は、業務内容・受け入れ人数の制限が少ないことです。
受け入れ後すぐに人員配置基準への算定がされる点が技能実習との違いであり、特定技能を活用するメリットです。

受け入れまでの流れ

ステップ① 技能試験・日本語試験に合格 or 技能実習3年 経過後から切り替え
ステップ② 介護施設等で就労(通算5年)
ステップ③ 帰国 or滞在中に国家資格「介護福祉士」を取得し、在留資格「介護」で継続して働く

まとめ

今回は、日本の介護業界に外国人労働者を受け入れる際に知ってきたい『4つの在留資格』を解説しました。
在留資格ごとに、受け入れルート、見込める技能・日本語力、在留できる期間が異なります。
それぞれの特徴を把握し、あなたの企業が外国人労働者を受け入れる際にどの在留資格が適しているかを検討しましょう!

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執筆者
外国人労働者ドットコム編集部

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