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技能実習制度

この記事では技能実習生の受入れにかかる費用に関して解説しています。技能実習生にかかる費用は実習期間、就業中に関するものだけではありません。実習生が渡航する前の費用も受け入れ企業が負担することになります。また、各費用は「1人あたりにかかる費用」「初回のみの支払い」「年額」など、項目によって変動します。これらの細かいルールの詳細を解説しつつ、実在する企業の額面を参考にしながら、どれほどの費用がかかるかを確認してみましょう。

技能実習制度の大まかな仕組み

日本へ渡航する前に、在留資格認定の申請、入国前健康診断、入稿前講習を受けます。入国前にも多くの手順があり、これに関する費用も発生します。

外国から来た技能実習生はまず、日本語の習得・法的保護を受けるための講義を受けることになります。また、就業前に健康診断を受けます。
その後ようやく、受入れ企業にと雇用関係を結び、「技能」を習得するための実習が始まります。
実習生の技能が一定水準に達すると、「技能実習2号」の在留資格への変更が許可され、合計3年間の実習が可能となる場合があります。加えて「技能実習3号」の在留資格を得た場合、優良生が認められる管理団体などに限って、最長5年間技能実習が認められます。

この流れをもとに費用について考えると、

【初期費用】

【入国前の費用】

【入国後の費用】

【就業開始後の費用】

に分けることができます。
そこで今回は、各段階でかかる費用とその内容について解説したいと思います。

【初期費用】はある程度推定計算ができますので、後半部分で具体的な推計値を算出してみてみましょう。

まずは監理団体に加入

技能実習生の受入れは、監理団体を通して行う場合が多いです。その場合、まずはどこかの監理団体に加入する必要があります。

【監理団体とは】
国際貢献・国際協力の名の下に技能実習生の監理・維持を受け持っている団体です。職業安定法に基づく無料紹介事業者、非営利団体として活動しています。

入会金(出資金)や年会費は、受け入れる技能実習生の人数問わず、定額となっています。つまり、加入する監理団体が増えるほど、加入時の費用が多くなります。

JITCO(ジツコ)(公益財団法人 交際研修協力機構)

JITCOは外国人の技能実習制度の総合支援機関として、「受入れ」「手続き」「送り出し」「人材育成」「実習生保護」の5つの支援事業を柱にセミナー・講習会の開催、個別の相談、教材の開発・提供などを通じて、監理団体、実習実施者、送出し機関などの制度関係者などをサポートしています。

JITCOに加入し、サポートを受けるかどうかは事業所側が決めます。サポートを受ける場合には別途会費が必要になります。
監理団体自体がすでに加盟している場合は、監理団体への費用として加算されます。

事前訪問の費用について

技能実習生と実際に会って人選を行うために、海外へ行く際の費用です。この費用は、担当する職員、滞在日数によって費用が変わります。つまり、費用の額は受入れ事業所が決めることとなります。費用を削減したい方にとっては、ここが考慮できるポイントです。

入国準備(入国前)の費用について

技能実習生の採用が決まり、日本に受け入れるための費用です。この費用は、実習生の母国や送り出し機関によって変わってきます。受け入れる実習生の人数によって変動します。

◯主な項目の例
渡航費用、申請書類作成・取次費用、健康診断費用、講習費用(宿泊費、テキスト代)、講習手当(講習期間中の生活費)、パスポート取得費用、査証申請料、入管手続印紙税など

入国後の費用について


技能実習生が日本に入国し、実際に仕事を始めるまでの期間に必要な費用です。実習生は入国後、実際に働くまでに様々な準備をする期間があります。2、3ヶ月ほどの研修を受けたり、健康診断に参加したりします。その期間の生活費(水道光熱費や寮費など)も受け入れ企業が負担します。これらの費用は受け入れる実習生の人数によって変動します。

◯主な項目の例
研修費、研修費用、健康診断受診費用、講習期間生活手当など

就業開始後の費用について

就業開始後の費用についてです。まずは技能実習生への給与、保険料など。日本人が就業する場合でもかかる費用は、もちろん技能実習生にもかかります。その他には、監理団体に払う費用があります。名目としては、「監理費」「指導費」などで記載されていることが多いです。これは、就業開始後も監理団体が技能実習生を監理するために発生する費用です。

技能実習生が実習を始めるまでの費用合計

技能実習生を受入れる前の初期費用を概算で計算してみましょう。

【技能実習生 1人当たりの費用】
在留資格認定申請・取次費用 … 約2万円
技能実習生総合保険料(37か月分) … 約2万円 〜 約6万円
雇入れ前健康診断費用 … 約1万円
入国前講習費用 … 約2万円
入国渡航費 … 約10万円

合計: 約17万円 〜 約21万円(参考:3人あたりであれば、単純計算で約51万円〜約63万円)

ここに、
監理団体出資金 … 約1万円 〜 約5万円
が加算されるので、最終的には
1人あたり、約18万 〜 約26万円
3人であれば、約52万円 〜 約68万円
ということになります。金額の変動は、送り出し国によって渡航費が異なることなどが要因です。

技能実習生が実習を始めるまでの費用


入国後の技能実習生の費用を推定で見ていきましょう。

【技能実習生 1人当たりの費用】
入国後研修 … 約10万円
講習手当 … 約6万円
雇入れ後健康診断費用 … 約1万円

合計: 約17万円(参考: 3人であれば単純計算で54万円)

技能実習生を採用した後の費用

【技能実習生 1人当たりの費用】
監理団体の管理費(年額) … 約60万円
送り出し機関管理費(年額) … 約12万円
帰国渡航費積立金(年額) … 約2万円
技能検定料 … 約2万円
在留資格変更、更新申請、取次費用 … 約5万円

合計: 81万円(参考:3人受け入れた場合は単純計算で243万円)

各管理団体による費用の例


では最後に、技能実習生受入れの際の費用を公開している監理団体の例を見てみましょう。

【事例①】協同組合A

◯初期費用
*組合入会出資金: 10,000円(脱退時に返却されます。)
*技能実習生総合保険: 39,640円(37カ月分 死亡 1,500万円 1人当たり)
*母国での講習実施費用: 20,000円(1社あたり。送り出し期間によって変動します。)
*国内講習費: 実費
*国内講習手当: 60,000円(実習生1人あたり)
*入国時の渡航費: 実費
*管理費: 35,000円(1人あたり。相談によって変動あり。)
*組合賦課金: 10,000円(1社あたりの年会費)
*健康診断費用: 3,500円(1人あたり。病院によって変動します。)
*国民健康保険: 1,300円(1人あたりの月額。市町村によって変動します。)

[初期費用合計(1社で実習生3人を受け入れる場合)]
498,320円 + 国内講習費 +入国時の渡航費

◯月額費用
*管理費および監査・指導費: 35,000円(1人あたり。相談に応じて変動する場合があります。)
*送り出し機関管理費: 5,000円(送り出し機関によって変動します。)

[月額費用合計(1社で実習生3人を受け入れる場合)]
110,000円

◯その他費用(入国後の費用)
*実習生資格変更費用: 入国1年後 4,000円/1名
*実習生機関更新費用: 入国2年後 4,000円/1名
*宿泊費用: 実習生負担
*水道光熱費: 実習生負担
*生活日用備品: 実習生負担
*作業服・工具など: 会社負担(受入れ企業)
*JITCO賛助会員費
資本金1億円以上 … 1口 150,000円/1回・1年
(※常勤従業員数が小売業で50人以下、卸売り業及びサービス業で100人以下、製造業、建設業、運輸業その他の業種にあっては300人以下の企業は除きます。)
資本金3,000万円以上 … 1口 75,000円/1回・1年
資本金3,000万円未満および個人 … 1口 50,000円/1年

*技能実習生への給料: 時給制または月給制で会社負担

【事例②】協同組合B

◯初期費用(分割納入可。最大3回まで。)
*組合入会金: 30,000円(内1万円が出資金。退会時に返金されます。)
*技能実習生の渡航費用: 約60,000円(1人あたり)
*申請書類作成・取次費用: 15,000円(1人あたり)
*雇い入れ前健康診断費用: 10,000円(1人あたり)
*160時間講習の費用: 70,000円(1人あたり)
(320時間の場合、費用は2倍)
*160時間講習の手当(実習生の生活費): 50,000円(1人あたり)
(320時間の場合、費用は2倍)

[初期費用合計(1社で実習生3人を受け入れる場合。講習時間は160時間。)]
645,000円

◯月額費用(1企業単位で算出されます。)
*組合 管理費用
50,000円(技能実習生3人まで)
90,000円(技能実習生6人まで)
120,000円(技能実習生9人まで)
※3人未満、9人より多い場合は要相談。

*送り出し機関 管理費用: 10,000円(1人あたり)
*実習生の給与: 地域の最低賃金以上
*保険料: 受入れ企業で、公的保険(労働保険・社会保険)に加入する必要があります。

[月額費用合計(1社で実習生3人を受け入れる場合)]
80,000円 + 給与 + 保険料

◯その他費用(入国後の費用)
*組合年会費: 30,000円(年一括払い。分割の場合は月額3,000円)
*育英会費用(任意加入): 15,000円(1人あたり。3年ごと。)
*査証印紙代: 8,000円(1人あたり)
*技能検定費用: 1回約20,000円(1人あたり。職種によって変動します。)
*技能実習生総合保険: 11,425円(保証期間3年。22,850円を実習生と受入れ企業で折半した額となります。)
*技能実習生帰国費用: 約50,000円(帰国時の航空券代なので。時期によって変動します。)

【事例③】協同組合C

◯初期費用
*出資金: 10,000円(脱退時に返金されます。)
*JITCO会費: 50,000円〜300,000円(受入れ事業所の資本金によって変動します。監理団体に直接相談、または事例①のJITCO賛助会員費を参考にしてください。)
*渡航諸費用: 60,000円(1人あたり)
*集合研修費: 86,400円(1人あたり)
*技能実習生総合保険料: 22,000円(1人あたり。初期費用ですが、あくまで3年間分の費用です。)
*講習手当: 60,000円(1人あたり。講習期間中の1ヶ月あたりの滞在費・食事代です。)

[初期費用合計(1社で実習生3人を受け入れる場合。JITCO会費は50,000円で計算。)]
745,200円

◯月額費用
*賃金: 企業の実費(賃金法に基づき、月額での支払い。)

◯その他費用
*年会費: 60,000円(人数問わず、1社あたり。毎年加入月に支払います。)
*監理費: 送り出し機関・国によって変動します。内訳は、送り出し機関への管理費・コンサルタント費用、実習生指導監理費・実習生指導監理費、通訳・技能検定試験費用、テキスト教育

技能実習制度の趣旨

・外国人技能実習生は、日本の企業の就業現場において技能を学び、知識を身につけ、帰国後に自身の就業生活の向上、自国の産業・企業発展に貢献する。
・受入れ国(日本)の実習実施機関(受入れ企業)にとっては、社内の活性化、海外進出の足がかりとして機能し貢献する。

開発途上国を発展させるために、その国の経済発展・産業振興の担い手となる人材を育成することが趣旨です。開発途上国が経済や産業を成長させるためには、その国で働く人材が先進国の進んだ技能・技術・知識を修得する必要があります。この必要性に応えるべく、日本では外国人の技能実習制度という研修制度を作りました。この制度では諸外国の青少年労働者を企業が一定期間受けいれます。

再確認すべき要件

費用面を確認すると同時に、受入れ企業と技能実習生それぞれに課される要件を確認しておきましょう。

受入れ企業が満たすべき要件

◯研修における業務内容が、単純作業、または反復作業ではないこと。
◯研修指導員(経験年数5年以上の常勤従業員)がいること。
◯生活指導員がいること。
◯技能実習生用の宿舎を確保すること。(1人あたり約3畳が目安です。)
◯冷暖房器具・寝具・シャワー設備、自炊設備を置くこと。
◯研修事業を国際貢献のひとつと捉え、前向きに取り組む姿勢があること。

技能実習生が満たすべき要件

◯18歳以上で、研修対象である職種で現在働いていること。
◯研修期間終了後、母国での復職が保障されていること。
◯研修制度の意義を理解し、研修意欲が高いこと。
◯各国、または地方公共団体から研修参加に係る推薦を得られる者。
◯入国前に事前教育を充分に(約3ヶ月以上)実施していること。
◯中学校、またはそれ以上の学校を卒業していること。
◯過去に日本における研修経験がない者。
◯健康で治療の必要な持病がない者。
◯研修を受けるために必要な日本語能力を持っていること。

まとめ

今回は、技能実習生の受入れにかかる費用を推計と実際の額面を使って紹介しました。

技能実習生1人あたり、
初期費用は、約18万 〜 約25万円
就業開始までの費用は、約17万円
採用後は、送り出し機関、監理団体、実習生が滞在する地域によって大きく変動します。

実習生が快適に、円滑に就業するための費用です。また、研修制度自体は開発途上国を発展させ、受入れ企業のグローバル化につながるという貢献があります。企業の「新たな一歩」として、技能実習生の受け入れを検討してみてはいかがでしょうか。

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