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技能実習制度

この記事では、技能実習制度のコンクリート製品製造職種について解説しています。
コンクリート製品の製造で人材不足に悩んでおられる方はぜひお読みください。

コンクリート製品製造の現状、コンクリート製造の流れ、技能実習制度の概要、技能実習「コンクリート製品製造職種」の業務内容を知ることができます。

外国人の雇用により、人材不足を解決出来るかもしれないので、ぜひチェックしてみましょう。

「コンクリート製品製造」の現状

過去には、バブル崩壊後の公共工事についての批判によるコンクリート製品の需要減少がありました。
ですが近年のコンクリート製造には、震災・異常気象の災害対策や工期短縮への
メリット・需要が見込まれています。
そのためコンクリート製造業界には、土木工事における労働力不足の解決策であると期待されています。

しかし、コンクリート製品製造は「きつい職場」のイメージが強いせいか、若者が就きにくい職場とされています。そのため業界は、人材不足に悩まされています。
また様々な規格が混在しているため、
コンクリート二次製品は『多品種少量生産』の傾向があります。
『多品種少量生産』となってくると、大量生産によるコストダウンは困難であり、人材の育成・採用にコストを割きづらい状況です。

このような厳しい状況の中、コンクリート製品製造での「外国人技能実習制度」が解禁されました。
これにより、人材採用の可能性が広がると考えられています。

コンクリート製品について

私たちが生活する街には、コンクリートで作られたものがたくさんあります。
道路・鉄道などの産業設備、水道などのライフライン、家やオフィスなどの建造物など、
生活や産業の社会基盤には、コンクリートがたくさん潜んでおり、私たちの生活を支えています。

コンクリートはどのような点で私たちを助けているのかを紹介していきます。

コンクリート製品の優位性

1. 同一形状部材の大量生産による工業製品化

建造物を構築する際、同一形状の部材を大量に必要とする場合があります。この場合、それらの部材を工業製品化する方が、低コスト化しながら高品質の部材を製造することができます。
これが理由で、道路、電気・通信用ポール、水道の管路など、規格化された製品が多く存在しています。

2. 建設において経済的

土工やアスファルト工の道路建設は、コンクリート工は主な業務ではありません。そのため、舗装ブロック、側溝、歩車道境界ブロックなどのコンクリート製品を利用しています。これらは自前で施工するより、購入して利用する方が経済的です。

3. 施工システムとしての働き

下水道の推進管、都市トンネルなどのシールドセグメント、盛り土のアーチカルバートなどの構造物構築においては、コンクリート製品がなければ成り立ちません。
このように、コンクリート製品が施工システムの一部として働いており、コンクリート製品が成り立たない工法があります。

4. モジュール化による施工性

まずモジュール化とは、部品を標準化し交換可能にすることです。
またモジュール化のメリットとしてあげられるのは、部品の交換による調整が必要なくなり、コスト削減につながる点。そして、様々な部品飲み合わせができるようになるため、システムの多様性が生まれる点です。

コンクリート製造・施工は建設現場による工期、騒音、振動、外観など厳しい施工条件が課せられており、リスクと高コストが伴います。
このような状況の中、構造物を適切なコンクリート製品にモジュール化することによって、建設現場での組み立て・設置に関する信頼性・経済性を高めることができます。

5. 施工における制約・負担が少ない

◯環境保全
コンクリート製品は発注した製品を建設現場に据え付けるだけです。
そのため、作業が天候の影響を受けにくく、工事期間の短縮・簡略化ができます。
またこれにより、交通への影響の抑制、CO2・作業騒音の削減ができます。

◯熟練作業員が少なくてもいい
標準化された製品を使うため、現場の熟練作業員が少なくても作業を進めることができます。

◯厳しい条件下での施工が可能
生コンクリートの供給は、積雪期、寒冷地、暑中などの天候の影響や、急傾斜地、海岸などの立地の影響を受けやすいです。ですが、コンクリート製品を使用することで、厳しい条件下での施工を行うことができ、同時に構造物の高品質化・信頼性の確保が可能になります。

コンクリートの製造について

コンクリート製品の製造方法は、複数の種類があります。振動締固め方式、即時脱型方式、遠心力成形方式などがあります。
今回の記事では、技能実習制度で採用されている振動締固め方式での製造を紹介します。

1. 鉄筋組立、型枠への配置
鉄筋を製品に合わせた形に組立て、型枠の中に配置します。

2. 型枠組立
コンクリートを打ち込む前に、型枠の形が崩れないよう、ボルトやクランプ(留め具)などで組み立てます。

3. コンクリート材料の計量・練り混ぜ
コンクリートの材料を計量・ミキサーに投入し、均一になるように練り混ぜます。
低スランプの硬練りコンクリート、繊維補強コンクリート、顔料入りコンクリートなど、
コンクリート製品工場特有のコンクリートもあります。

4. 製品の成形
コンクリート製品は一般に、硬練コンクリートを用いて、機械的に強力な締固めを行います。
締固めの方法は様々で、内部振動機を用いる締固め以外には、
振動台を用いる方法、振動加圧(即時脱型)成形、遠心力締固め、加圧締固めなどがあります。
これらの成形方法は製品の形状によって変わります。

5. 蒸気養生
コンクリート製品の製造では、型枠の使用効率を上げるために、最高温度65度の常圧蒸気養生を行います。
脱型は翌日に行います。

6. 脱型
製品の寸法を正確にするため、製造時には鋼製の頑丈な型枠を用います。そのため、クレーンなどを使って脱型を行います。
脱型時には、不良個所などないか確認します。もし確認されれば不良品として取り除くことができます。

7. 保管作業
出荷前のコンクリート製品は検品を行った後、在庫置き場に外力などが作用しない状態で保管します。

技能実習制度とは

「技能実習制度」とは、
開発途上国などの外国人が来日し、日本で修得した技能・知識を開発途上国へ移転する制度です。

実際は、日本の人材不足の補填となっているように見られる場面があり、問題視されている実態があります。ですが、本来の目的は「日本から開発途上国への国際貢献」です。

技術移転の流れは、まず開発途上国の若者が「技能実習生」となり、日本の企業で就労します(この企業を「受け入れ企業(または機関)」と言います)。この就労を通して日本の技術・知識を修得し、その技術を母国へ持ち帰り、母国での技術発展に役立てます。
以上のような流れで開発途上国の発展を助け、国際貢献を目指します。
コンクリート製品製造職種であれば、
成形準備、コンクリートの成形、脱型、作業管理
などの技術・知識を母国に持ち帰ることになります。

この技能実習制度は2010年まで、「外国人研修制度」という名前で運用されてきました。
しかし、目的外の労働の強要・賃金の未払いなど、さまざまな問題が見られ、本来の趣旨である「国際貢献」に反する運用の実態が問題視されていました。

これらの実態をなくすべく制度の再検討を行い、制度の改正を行いました。
この際に、制度の名称が「外国人技能実習制度」となりました。

技能実習生受け入れの流れ

ここでは、技能実習生受け入れの大まかな流れを紹介します。
まず、技能実習生を受け入れてから、事前に作成し監督省庁に提出した実習計画に沿って実習を行います。
コンクリート製品製造職種の場合、実習期間は最大で5年間です。
技能実習1号、2号、3号へそれぞれの基準を満たすことで移行することができます。

受け入れを行う際の準備はたくさんあります。希望する人材の選定や必要な書類の作成・提出、法令によって定められている講習の実施などがあります。

従業員が少ない企業では、全ての手続きを自社で行うのが難しい場合がありますが、安心してください。
実際、全ての手続きを受入れ機関(企業)が行っているケースはあまり見られません。
「監理団体」と呼ばれる外部の専門機関へ委託することが可能で、中小企業など多くの企業が監理団体に委託して運用しています。
監理団体に委託する場合は、以下の流れで技能実習生を受け入れることになります。

◯ 監理団体に加入
◯ 現地(外国)で面談
◯ 現地で教育(講習など)
◯ 日本へ入国
◯ 監理団体での講習
◯ 受け入れ

技能実習の「コンクリート製品製造」の業務内容

コンクリート製品製造業の作業の定義は、
「社会基盤施設に用いるコンクリート製品を、製造工程が一貫して管理された工場で製造する作業」のことです。

ここでいうコンクリート製品に、レディーミクストコンクリート(生コンクリート)は含まれません。
また、クレーン又はフォークリフトの運転の業務及び玉掛けの業務は、必須業務には含まれません。

必須業務

必須業務とは、技能等を修得等するために必ず行われなければならない業務のことです。技能実習生が修得等をしようとする技能等に係る技能検定、またはこれに相当する技能実習評価試験の試験範囲に基づいた内容となっています。

第1号技能実習

(1) コンクリート製品製造
① 成形準備
1. 型枠の清掃
2. 剥離剤(離型剤)の塗布
3. 型枠の組立

② コンクリートの成形
1. 打込み、締固め
a. 無筋
2. 表面仕上げ

第2号技能実習

(1) コンクリート製品製造
① 成形準備
1. 型枠の清掃
2. 剥離剤(離型剤)の塗布
3. インサート類の取付け
a. 一組までのインサート類
4. 鉄筋の配置
a. 一層鉄筋格子までの鉄筋
5. 型枠の組立

② コンクリートの成形
1. 打込み、締固め
a. 無筋
b. 一層鉄筋格子までの鉄筋入り
2. 表面仕上げ

③ 脱型
1. 型枠取外し
2. 製品取出し
3. 転置

④ 仕上げ(手直し)
1. バリ取り
2. 気泡の手直し

第3号技能実習

(1) コンクリート製品製造
① 成形準備
1. 型枠の清掃
2. 剥離剤(離型剤)の塗布
3. インサート類の取付け
a. 一組までのインサート類
b. 二組以上のインサート類
4. 鉄筋の配置
a. 一層鉄筋格子までの鉄筋
b. 一層鉄筋格子より複雑な鉄筋
5. 型枠の組立

② コンクリートの成形
1. 打込み、締固め
a. 無筋
b. 一層鉄筋格子までの鉄筋入り
c. 一層鉄筋格子より複雑な鉄筋入り
2. 表面仕上げ

③ 脱型
1. 型枠取外し
2. 製品取出し
3. 転置

④ 仕上げ(手直し)
1. バリ取り
2. 気泡の手直し
3. 気泡の手直し
4. 角欠けの手直し

⑤ 作業管理(不具合製品発生の防止等)

安全衛生業務

安全衛生業務の内容は、1,2,3号全て共通しています。
① 雇い入れ時の安全衛生教育
② 作業開始前の安全装置等の点検
③ コンクリート製品の製造作業のための整理整頓
④ コンクリート製品の製造作業用機械及び周囲の安全確認
⑤ 保護具の着用と服装の安全点検
⑥ 安全装置の確認
⑦ 労働衛生上の留意事項の確認
⑧ 異常時の応急措置の修得

関連業務, 周辺業務

関連業務とは、必須業務に従事する者が当該必須業務に関連して行う場合のある業務のことです。修得予定の技能等の向上に寄与する内容とされています。
周辺業務とは、必須業務に従事する者が当該必須業務に関連して通常携わる業務のことです。

(1)関連業務

1. 成形準備、成形、脱型、仕上げ、運搬等の作業でクレーン又はフォークリフトの運転の業務
(労働安全衛生法令に基づく有資格者に限ります)
2. 玉掛けの業務
(労働安全衛生法令に基づく有資格者に限ります)
3. 製品の運搬(工場内)
4. 鉄筋の加工・組立
(その内、溶接の業務を行う場合は、労働安全衛生法令に基づく有資格者に限ります)
5. コンクリート製品製造用機械・装置及び機器・工具類の保守・管理作業
6. 型枠の組替・交換
7. 緊張作業
8. フレッシュコンクリート製造
9. 養生
10. 製品の保管
11. 製品の検査
(必須業務の工程内で行うがいかん・寸法検査を除きます)
12. 切断

(2)周辺業務

① 材料・資材の管理
② 材料・資材の運搬(工場内)

(3)安全衛生業務

必須業務の安全衛生業務と同じ内容です。

まとめ

今回は、技能実習制度のコンクリート製品製造職種について紹介しました。
コンクリート製品製造は、私たちの生活を支えてくれている重要な仕事です。

制度の運用方法を把握し、ぜひ活用してみましょう。

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執筆者
外国人労働者ドットコム編集部

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