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技能実習制度

この記事では、技能実習制度の「塗装業」について紹介しています。
塗装業の事業者の方、国内採用以外での募集を考えておられる方はぜひお読みください。
技能実習制度の概要、外国人にどのような作業を任せることができるかを詳細に知ることができます。

技能実習制度における「塗装業」

技能実習制度の「塗装業」には、以下の4種類があります。4種類のうちのいずれかを行っている企業であれば、制度の利用が可能です。
◯ 建築塗装作業
建築物内外部のコンクリート、木部、金属、ボード類、モルタルなどの素地に対しての塗装、及びこれに関連する作業です。

◯ 金属塗装作業
金属製素材や非鉄金属・合金材、めっき材などで構成されるモノに対しての塗装、及びこれに関連する作業です。

◯ 鋼橋塗装作業
鋼製橋梁や鋼構造物などを構成する構造物、付属物に対しての塗装、及びこれに関連する作業です。

◯ 噴霧塗装作業
噴霧塗装用の機械、噴霧塗装用設備などにおける被塗装物、及び塗料の種類に応じた噴霧塗装の方法によって行う作業です。

後述する作業内容は、これらをベースに作られています。
また、外国人技能実習生は「このような作業内容である」と認識を持ち、日本へ来ます。
そのため、上記のような作業を任せる前提で制度を運用する必要があります。

技能実習制度とは

「技能実習制度」とは、
日本で培われた技能・技術または知識を開発途上国へ移転するための制度です。
この移転により、開発途上地域の経済発展を担う「人づくり」に寄与するという国際協力を推進します。

移転の流れは、まず開発途上国の若者が「技能実習生」となり、日本の企業で就労します(この企業を「受け入れ企業(または機関)」と言います)。この就労を通して日本の技術・知識を修得し、その技術を母国へ持ち帰り、母国での技術発展に役立てます。
以上のような流れで開発途上国の発展を助け、国際貢献を目指します。

この技能実習制度は2010年まで、「外国人研修制度」という名前で運用されてきました。
しかし、目的外の労働の強要・賃金の未払いなど、さまざまな問題が見られ、本来の趣旨である「国際協力」に反する運用の実態が問題視されていました。
これらの実態をなくすべく制度の再検討を行い、制度の改正を行いました。
この際に、制度の名称が「外国人技能実習制度」となりました。

ですが実際の現場では、日本の人材不足の補填となっているように見られる場面があり、この実態は問題視されています。本来の目的は「日本から開発途上国への国際貢献」なので、技能実習生が母国に技術・知識を移転できるような運用が求められます。
制度の理念として「技能実習は、労働力の需給の調整の手段として行われてはならない」(法第3条第2項)と記されています。

今後も日本が国際協力を続けていくには、技能実習制度を活用する事業者の方々の適切な運用が求められます。

技能実習生受け入れの流れ

ここでは、技能実習生受け入れの大まかな流れを紹介します。
まず、技能実習生を受け入れてから、事前に作成し監督省庁に提出した実習計画に沿って実習を行います。
塗装業の場合、実習期間は最大で5年間です。
技能実習1号、2号、3号へそれぞれの基準を満たすことで移行することができます。

受け入れを行う際の準備はたくさんあります。希望する人材の選定や必要な書類の作成・提出、法令によって定められている講習の実施などがあります。

従業員が少ない企業では、全ての手続きを自社で行うのが難しく、運用に不安を持たれるかもしれません。
しかし実際、全ての手続きを受入れ機関(企業)が行っているケースはあまり見られません。
「監理団体」と呼ばれる外部の専門機関へ委託することが可能で、中小企業など多くの企業が監理団体に委託して運用しています。
監理団体に委託する場合は、以下の流れで技能実習生を受け入れることになります。

◯ 監理団体に加入
◯ 現地(外国)で面談
◯ 現地で教育(講習など)
◯ 日本へ入国
◯ 監理団体での講習
◯ 受け入れ

技能実習の「塗装(建築塗装作業)」の業務内容

技能実習「塗装(建築塗装作業)」の作業の定義は、
「建築物ない外部のコンクリート、木部、金属、ボード類、モルタル等の素地に対して行う塗装及びこれに関連する作業」です。

被塗装物の例には、以下のものが挙げられます。
・木部
・鉄鋼面
・軽金属面
・亜鉛めっき鋼面
・プラスタ、モルタル、しっくい、コンクリート及び軽量気泡コンクリート
・石膏ボード
・けい酸カルシウム板

必須業務

必須業務とは、技能等を修得等するために必ず行われなければならない業務のことです。技能実習生が修得等をしようとする技能等に係る技能検定、またはこれに相当する技能実習評価試験の試験範囲に基づいた内容となっています。

第1号技能実習

(1)建築塗装作業
① 素地調整作業
② 塗装作業
1. 被塗装物の養生作業
2. 下地処理(下地付け、目地処理及び目止め)作業
3. 塗料の調合作業
4. 塗り作業

第2号技能実習

新たな作業として、「①工事環境の養生作業」が追加されています。
また、「③塗装作業」において塗料の調色作業、ローラーブラシ作業が追加されています。

(1)建築塗装作業
①工事環境の養生作業
②素地調整作業
③塗装作業
1. 被塗装物の養生作業
2. 下地処理(下地付け、目地処理及び目止め)作業
3. 塗料の調合及び調色作業
4. 塗り作業
5. ローラーブラシ作業

第3号技能実習

新たな作業として、
「④ 膜厚及び塗り色の判定作業」
「⑤ 塗膜の修整作業」
が追加されています。

また、「③塗装作業」において
・研ぎ作業
・仕上げ作業
・多孔質ローラーブラシ作業
が追加されています。

(1)建築塗装作業
① 工事環境の養生作業
② 素地調整作業
③ 塗装作業
1. 被塗装物の養生作業
2. 下地処理(下地付け、目地処理及び目止め)作業
3. 塗料の調合及び調色作業
4. 塗り作業
5. 研ぎ作業
6. 仕上げ作業
7. ローラーブラシ及び多孔質ローラーブラシ作業

④ 膜厚及び塗り色の判定作業
⑤ 塗膜の修整作業

安全衛生業務

安全衛生業務の内容は、1,2,3号全て共通しています。

①雇入れ時等の安全衛生教育
②作業開始時の安全確認作業
③塗装職種に必要な整理整頓作業
④塗装職種の作業用機器・装置等及び周囲の安全確認作業
⑤保護具及び安全標識・装置の点検作業
⑥安全装置の使用等による安全作業
⑦危険物等の取扱い作業
⑧危険性、有害性の排除及び応急処置対応作業

関連業務, 周辺業務

(1)関連業務

①建築物以外への各種塗装作業
(噴霧塗装,静電塗装,ロールコータ塗装,焼付け塗装,電着塗装,粉体塗装など)

②塗装用器工具及び塗装用機器・装置の保守・管理作業
③塗装材料、塗装用補助材料等の保守・管理作業
④塗料の乾燥作業

⑤足場の組立・解体作業
(特別教育が必要です。)

⑥高所作業車運転作業
(特別教育又は技能講習が必要です。)

(2)周辺業務

①塗装用機材及び材料等の構内運搬作業
②塗装用機材及び材料等の梱包・出荷作業

(3)安全衛生業務

必須業務の安全衛生業務と同じ内容です。

技能実習の「塗装(金属塗装作業)」の業務内容

技能実習「塗装(金属塗装作業)」の作業の定義は、
「金属製素材や非鉄金属・合金およびメッキ材などで構成される対象物に対して行う塗装および、これに関連する作業」です。

被塗装物の例は以下の6項目です。
・一般鋼材および、その処理鋼板
・鋳鉄品および鋳鋼品
・ステンレス鋼材
・アルミニウム材および、その合金材
・亜鉛材およびその合金材
・その他の金属材料

必須業務

第1号技能実習

(1)金属塗装作業
①素地調整作業
②塗装作業
1. 被塗装物の養生作業
2. 簡単な塗り作業

第2号技能実習

「②塗装作業」に
・塗料の調合・調色作業
・研ぎ作業
が追加されています。

また、1号の「簡単な塗り作業」が「塗り作業」に変わっています。

(1)金属塗装作業
①素地調整作業
②塗装作業
1. 被塗装物の養生作業
2. 塗料の調合・調色作業
3. 塗り作業
4. 研ぎ作業

第3号技能実習

新たな作業として、
「③膜厚及び塗り色判定作業」
「④塗膜修整作業」
が追加されています。

また、「②塗装作業」に
・下地材の調合及び下地付け作業
・乾燥作業
・仕上げ作業(磨き等)
が追加されています。

(1)金属塗装作業
①素地調整作業(へらの調整含む)
②塗装作業
1. 被塗装物の養生作業
2. 下地材の調合及び下地付け作業
3. 塗料の調合・調色作業
4. 塗り作業(中塗り及び仕上げ塗り含む)
5. 研ぎ作業
6. 乾燥作業
7. 仕上げ作業(磨き等)

③膜厚及び塗り色判定作業
④塗膜修整作業

安全衛生業務

安全衛生業務の内容は、1,2,3号全て共通しています。

①雇入れ時等の安全衛生教育
②作業開始時の安全確認作業
③塗装職種に必要な整理整頓作業
④塗装職種の作業用機器・装置等及び周囲の安全確認作業
⑤保護具及び安全標識・装置の点検作業
⑥安全装置の使用等による安全作業
⑦危険物等の取扱い作業
⑧危険性、有害性の排除及び応急処置対応作業

関連業務, 周辺業務

(1)関連業務

①金属塗装以外の各種塗装作業
(噴霧塗装,静電塗装,ロールコータ塗装,焼付け塗装,電着塗装,粉体塗装など)
②塗装用器工具及び塗装用機器・装置の保守・管理作業
③塗装材料、塗装用補助材料等の保守・管理作業
④足場の組立・解体作業
(特別教育が必要です。)
⑤高所作業車運転作業
(特別教育、または技能講習が必要です。)

(2)周辺業務

①塗装用機材及び材料等の構内運搬作業
②塗装用機材及び材料等の梱包・出荷作業

(3)安全衛生業務

必須業務の安全衛生業務と同じ内容です。

技能実習の「塗装(鋼橋塗装作業)」の業務内容

技能実習「塗装(鋼橋塗装作業)」の作業の定義は、
「鋼製橋梁や鋼構造物等を鋼製する構造物または付属物に対して行う塗装および、これに関連する作業」です。

被塗装物の例は以下の7項目です。
・普通鋼材
・鋳鉄材および鋳鋼材
・ステンレス鋼材
・耐候性鋼材
・亜鉛めっき鋼材
・非鉄金属材
・鋼材および、その他合金材

必須業務

第1号技能実習

(1)鋼橋塗装作業
①素地調整作業
②塗装作業
1. 被塗装物の養生作業
2. 塗り作業

第2号技能実習

「②塗装作業」に
塗料の調合・調色作業
が追加されています。

(1)鋼橋塗装作業
①素地調整作業
②塗装作業
1. 被塗装物の養生作業
2. 塗料の調合・調色作業
3. 塗り作業

第3号技能実習

新たな作業として、「③塗膜修正作業」が追加されています。

また、2号の「①素地調整」が「①素地調整及びその判別作業」に変わっています。

(1)鋼橋塗装作業
①素地調整及びその判別作業
②塗装作業
1.被塗装物の養生作業
2.塗料の調合・調色作業
3.塗り作業
③塗膜修正作業

安全衛生業務

安全衛生業務の内容は、1,2,3号全て共通しています。

①雇入れ時等の安全衛生教育
②作業開始時の安全確認作業
③塗装職種に必要な整理整頓作業
④塗装職種の作業用機器・装置等及び周囲の安全確認作業
⑤保護具及び安全標識・装置の点検作業
⑥安全装置の使用等による安全作業
⑦危険物等の取扱い作業
⑧危険性、有害性の排除及び応急処置対応作業

関連業務, 周辺業務

(1)関連業務

①鋼橋以外への各種塗装作業
(噴霧塗装、静電塗装、ロールコータ塗装、焼付け塗装、電着塗装、粉体塗装等)
②素地調整用器工具、塗装用器工具及び塗装用機器・装置の保守・管理作業
③塗装材料、塗装用補助材料等の保守・管理作業
④建築装飾工事(塗装)作業
⑤塗料の乾燥作業
⑥足場の組立・解体作業
(特別教育が必要です。)
⑦高所作業車運転作業
(特別教育、または技能講習が必要です。)

(2)周辺業務

①作業現場の清掃・後片付け作業
②塗装用機材及び材料等の構内運搬作業
③塗装用機材及び材料等の梱包・出荷作業

(3)安全衛生業務

必須業務の安全衛生業務と同じ内容です。

技能実習の「塗装(噴霧塗装作業)」の業務内容

技能実習「塗装(噴霧塗装作業)」の作業の定義は、
「噴霧塗装用の機械、噴霧塗装用設備等を使用して工業塗装作業等における被塗装物および塗料の種類に応じた噴霧塗装の方法により行う作業」です。

被塗装物の例として、
工業塗装作業等で塗装される各種製品・部品等
が挙げられます。

必須業務

第1号技能実習

(1)噴霧塗装作業
①素地調整作業
②塗料の簡単な調合作業
③噴霧塗装機による塗装作業
1.被塗装物の養生作業
2.エアスプレー塗装機による塗装作業

第2号技能実習

新たな作業として、
「④塗装用設備の点検・整備作業」
「③噴霧塗装機による塗装作業」に「エアレススプレー塗装機による塗装作業」「静電塗装機による塗装作業」
が追加されています。

また、1号の「②塗料の簡単な調合作業」が「②塗料の調合作業」に変更されています。

(1)噴霧塗装作業
①素地調整作業
②塗料の調合作業
③噴霧塗装機による塗装作業
1. 被塗装物の養生作業
2. エアスプレー塗装機による塗装作業
3. エアレススプレー塗装機による塗装作業
4. 静電塗装機による塗装作業
④塗装用設備の点検・整備作業

第3号技能実習

第3号は、追加項目がたくさんあります。

まず新たな作業として
「⑤膜厚及び塗り色判定作業」
「⑥塗膜修整作業」
「⑦塗装機の分解、組立て及び調整作業」
が追加され、
既存の作業項目である「③噴霧塗装機による塗装作業」に
「スプレーパターンの調節作業」
が追加されました。

また、2号の作業項目に変更があります。
「①素地調整作業」が「①素地調整及び素地良否判定作業」に
「②塗料の調合作業」が「②塗料の調合及び色合わせ作業」に
変更されています。

(1)噴霧塗装作業
①素地調整及び素地良否判定作業
②塗料の調合及び色合わせ作業
③噴霧塗装機による塗装作業
1. 被塗装物の養生作業
2. エアスプレー塗装機による塗装作業
3. エアレススプレー塗装機による塗装作業
4. スプレーパターンの調節作業
5. 静電塗装機による塗装作業
④塗装用設備の点検・整備作業
⑤膜厚及び塗り色判定作業
⑥塗膜修整作業
⑦塗装機の分解、組立て及び調整作業

安全衛生業務

安全衛生業務の内容は、1,2,3号全て共通しています。

①雇入れ時等の安全衛生教育
②作業開始時の安全確認作業
③塗装職種に必要な整理整頓作業
④塗装職種の作業用機器・装置等及び周囲の安全確認作業
⑤保護具及び安全標識・装置の点検作業
⑥安全装置の使用等による安全作業
⑦危険物等の取扱い作業
⑧危険性、有害性の排除及び応急処置対応作業

関連業務, 周辺業務

(1)関連業務

①噴霧塗装以外の各種塗装(ロールコータ塗装、焼付け塗装、電着塗装、粉体塗装等)作業
②塗装用器工具及び塗装用機器・装置の保守・管理作業
③塗装材料、塗装用補助材料等の保守・管理作業
④塗料の乾燥作業

(2)周辺業務

①塗装用機材及び材料等の構内運搬作業
②塗装用機材及び材料等の梱包・出荷作業

(3)安全衛生業務

必須業務の安全衛生業務と同じ内容です。

まとめ

今回は技能実習制度の「塗装業」について紹介しました。

4作業のうちのいずれかを行っている企業であれば、制度を運用することができます。

国内採用以外の方法での募集を考えておられる事業者の方は、ぜひ運用をご検討ください。

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執筆者
外国人労働者ドットコム編集部

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